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人生100年時代をどう生きるか?相愛大学 人文学部教授 釈徹宗先生

ブログアンシー > 生き方 × 活き方 アンシーインタビュー

2015年01月17日

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活き方×生き方 インタビュー

昔は人生50年・・・

こらからは寿命が50年のびるといわれています。

「人生100年時代をどう生きるのか?」

相愛大学 人文学部教授 釈徹宗先生にお話ししていただきました。

浄土真宗 如来寺の住職で

NHKのテレビ番組 落語ブッダに出演されていました。

 

アンシー:「人生100年時代をどう生きるのか?」

どんな風に生きていけば、人生豊に生きることができますか?

仏教に知恵はありますか?

 

釈先生:仏教では 生きることは苦である。

そう聞くとかなりネガティブな宗教に聞こえるかもしれません。

これは中国でインドの言葉を翻訳したのですが

原語ドゥッカとは、思い通りにならない。

生きるということは、思い通りにならない。

思い通りにならないことは、苦しまないといけない。

人生を思い通りするわけにはいかないですが、

思いの方をあばれないように整えれば苦も小さくなるというのが、

仏教のメインストーリーにはあります。

長く生きれば思い通りにできない場面があるので、

苦しみが増えるのですが、

また、死ぬとか病気になるも大きな苦ですが、

長く生きれば、先延ばしにできる分けですが、

別の場面に思い通りにならない苦は増えていきます。

人生のモデルみたいなものがあって、

仏教の老いの過ごし方、

自分の都合を小さくしていくという老いの生き方を、

モデルに設定していく。

若い時は自分の欲望、情熱を持て余して苦しい。

 

アンシー:そうです。20代の時はストイックになりすぎて大変でした。

 

釈先生:若いときの衝動みたいものがなくなると、

楽は楽・・・ 落ち着いた喜びがあって、

ココロとカラダが整うことが喜び、

加齢するしたがって、なんとも言えな深い味わい、

良く整った自己、良く整った自分というものの喜びを味わう。

現代人の苦悩に自分というものをどのように扱うかがあります。

一番厄介なのがこれなんです。

 

アンシー:それやっかいです。(笑い)

先ほど先生が思いが、苦って、おっしゃいましたが、

気づいてない方が多いと思います。

自分っていうものに真剣に向かわないと、

自分が思っていることが苦を作っているということに、気づかないとおもうのですが、

 

釈先生:現代社会は普通に生きてると自分というものが膨らむような仕組みになっていて、

次から次へとあおられて追いかけるうちに苦しくなっていく。

降りられないベルトコンベアーに乗せられている。

一つ解決したらまた次、また次と、どんどんあおられるしくみ。

現代人というのは 自分というものを持ちかねるほど大きくなってしっまたり、

しんどさ、苦しみとなっている。

自分とどう付き合うか どうもその辺に苦しみの根源があります。

自分とつきあう道のモデルとして、

インドでは四住期というのがあります。

学行期 社会出るための学ぶ時期

家住期 家庭生活の時期

林住期 かつては日本には隠居文化があったのですが

これが枯れてしまった、

今はいつでも現役。

いくつになっても活躍しなくてはいけない

みんながみんながそうでなくても良い。

もう少し、老いを楽しむというモデルもあったても良いと思います。

豊かな、成熟した社会だと思います。

 

アンシー: 五木寛之さんの林住期という本を読んだのですが、

今から準備をしてきないと思えた本だったのですが、

どのように準備したら良いのですか?

 

釈先生:仏教の教えにたくさんヒントがあって、それを学ぶのが良いと思われているとは思います。

仏教とはおもしろい宗教で、

人間のココロとカラダのメカニズムとか、

たくさんの臨床事例でできあがっています。

 

アンシー:中国医学と同じですね。

お腹の開けれないときにできましたから、直観とか体験の医学と言われます。

 

釈先生:もちろん、近接領域ですので重なってるところもありますね。

そこの部分は異教徒の方でも使っていいのですよ。

ブッタもそういっています。

信じてなくても活用可能な大変めずらしい宗教なんです。

キリスト教やイスラム教は神への信仰なしには一歩も前に進まない構造をもっています。

良いとか悪いとかではなくタイプが違う。

仏教は人類の知恵の結晶のところがあって、

ココロとカラダのメカニズムになので、

そこのところは現代の成熟した社会の人たちに、宝の山のヒントがあると思ってます。

近代成長期には仏教は活躍しなかったのです。

成長期はキリスト教のプロテスタントが強い文化圏の国がひっぱてきたんです。

プロテスタントにはバリエーションがあって一概にはいえませんが、

わき目もふらず禁欲的に努力して社会的に成功するという。

近代成長期に大きな影響を与えています。

その時にココロとカラダを整えての仏教はうけない。

ピンとこないです。

競争に勝った、努力したものが、

良い生活を手に入れることができるというストーリーが強い時代は、

思いを整えるとか 小欲知足とかは響かなかった。

しかし、これだけ近代の具合の悪いとこがたくさん出てきたこの社会になると、

今 仏教に注目していただくのはどうかなと思います。

 

釈先生ありがとうございました。

現代に通じる知恵としてたくさんのこと学ばせていただきました。IMG_3806

特に私は「思いが苦である」って言葉が響きました。

生きるということは、思い通りにならない。

思い通りにならないことは、苦しまないといけない。

寿命が延びた分だけ体験できる思いの中の自分。

今日は阪神淡路大震災があって20年。

生かされている命の自分について、

また考えてみたいと思います