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インドの哲学、宗教とヨガ 相愛大学 人文学部教授 釈徹宗先生 その2
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2015年03月07日
ブログ活き方×生き方 インタビュー
インドの哲学、宗教とヨガ 相愛大学 人文学部教授 釈徹宗先生 その1は
少し難しかったですか?
難解に感じる言葉の中に、繰り返し聞くと(読むと)見え隠れする、
智慧の世界、たくさんのイマジネーションも湧いてきます。
続きを掲載させていただきます~
アンシー: カタウパニシャッドっていう有名な図があるのですが
「五つの知覚器官と一つの思考器官を固く執持することをヨガという」
上図は簡単なイメージ
車主 アートマン(霊魂・自我)
車体 肉体
御者 覚(理性)
手綱 意(思考器官)
馬 知覚器官
釈先生:五識ですね。心の認識の問題。
アンシー:思考の世界がどう認識するかで、変わっていくもの・・があります。
釈先生:ヨーガ派の特徴のひとつである、
ヨガを積極的にとりれた仏教の一派に唯識っていうのがあります。
日本の場合、一番大きなのは法相宗です。
奈良の興福寺行かれたことありますか? 奈良ホテルの向かいにあるでしょ。
法相宗がこれ日本の場合、唯識の宗派なんです。
唯識というのは唯識ヨーガ派の略でして、認識をどう転換するかっていう、
ヨーガを使った仏教のグループでして、
興福寺が本山になっていて、興福寺の前に猿沢の池があって、その向いに奈良ホテルがあるでしょ。
「手を打てば 鳥は飛び立つ 魚寄る 女中茶を持つ 猿沢の池」
という歌があります。
猿沢池でポンポンと手を打てば、鳥は人が自分を捕まえに来たと思って逃げて、
魚は餌くれると思って集まってきて、猿沢の池のお茶屋の人は呼ばれたと思ってお茶もってくる。
つまりポンポン音が法で、これは一つの現象で、鳥とか魚とか女中とかそれぞれによって、そうがかわる。
つまり認識の問題で、認識をどう変えていくか。
ヨーガスートラでパリナーマという。転変と訳されています。
これヨーガ派の最大の特徴のひとつです。
パリナーマは。認識をどう転換していくかで、ヨーガの方向性があります。
人間の心と身体っていうのは自分の認識通りに現象が進む。
認識と現象がかみあってたら幸せと感じるようにできていて、
幸せホルモンを分泌していて「あーしあわせ」やな。
でも絶対認識と現象ってずれますよね。
思い通りに物事って進みませんし、
やりたくてもできないとか、
してほしいのにしてくれないとか、必ずずれますでしょう。
ずれがストレスということになって、ずれた状態が長く続くと、自分っていうものが壊れちゃう。
無意識のうちに補正しよう補正しようとしてるんですど、
ある種ごまかしながら、理屈つけたり、見んようにしてたり、自分をだましながら
ずれを補正しようとしてるんですが、それは具合が悪い。
認識のメカニズムと自分という感覚。
この図のようにコントロールすることによって、ズレないようにしていく、
そんな話ですよね。
アンシー:パタンジャリのヨガスートラがあって、仏教のヨーガ派が一派があって
ヨガがいつできたかって、定かではないけど、
私は宗教より前にできた、あったかと思っていますが。
釈先生:どういう形体で宗教っていうか、難しいところですよね。
例えば、前話したように死者儀礼ができた時点で宗教が成立というと、
人類の歴史と変わらないですよね。
もちろん仏教とかヒンズー教よりもヨーガの方は歴史が長いですけど。
広い意味での宗教っていうふうになりますと、ヨーガが先というのは難しいですね。
こういう仏教とかキリスト教やヒンズー教は制度宗教といいます。
自然宗教と言うのがあって、別に教えとか教義とか教団とかあるわけでなくて、
人間の営みの中で宗教的な行為、それ自然宗教って言っちゃいますね。
そこまで入れると人類が様々な活動、流動的な知性を取り入れて活動しはじめたときから、
宗教行為を営んできたとうことになりますので、ヨーガが先にあるというのは難しいですね
アンシー:納得しました。仏教より先、ヒンズー教よりも先ですので。
「ヨガは宗教ですか?」って聞かれることがあります。
ヨガ=宗教ではないので、どうヨガをとらえるか。
私は「健康法」としても伝えています。
釈先生:人類の知恵の結晶じゃないんですか?
人間の心と体を自分というものと、うまく付き合っていくための技術みたいなところがあります。
それは人類のテーマとしてありますよね。
そのひとつの技術としてヨーガあると考えたらよいですね。
でもお伝えしたいように伝えたらよいですね。
宗教には制度宗教と自然宗教とがありまして、
何らかの宗教行為をやっていたのは、
現生人類が発生する前からやっている可能性がありますからね。
かつては人類はいろんな系統があって、人種も様々と昔は考えていたのですが、
いろんな遺伝子の研究が発達して、人類はみんな絶滅しているがわかったんです。
残っているのは我々一種類だけなんですよ。
われわれ原生人類だけなんですよ。全人類は一種類しかないんですよ。
現生人類 ホモサピエンスとも言います。
北京原人がいたとか、クロマニヨン人がいたとかいうのですがみな残ってない。
ネアンデルタールというものもいたのですが、絶滅しているのですが。
現生人類とちょっとの間、共生しているんです。
人類っていうのは2種類いたのですが
これが今から10万年から5万年まえですが、
どうもこの時に宗教が発生したようです。
釈先生:今わかっているのはイランの洞窟とかでナンデルタール人の遺体が出てきて、
どうもお花を備えているようすです。わざわざ土を色を染めて黄色い土を赤く染めてかけたり、
いろいろしているんですよね。
つまり、何らかの死者のための儀式をやってたわけで、
そうすると原生人類よりネアンデルタールは先にやってたわけで、
現生人類も今わかっているのは4万5,6千年前のやつが古いですけど。
儀式した後があって、発見された骨の化石をみるとあるので、
宗教よりヨガが先というのは無理があって、
でも制度宗教より先ですね。
アンシー:日本でも広がっている仏教ですが、
お釈迦様は菩提樹の下で瞑想をして、悟りを開かれたといわれますが、
ヨガは関係してないんですか?
釈先生:一緒ですよね。ディヤーナというのですが禅定(ぜんじょう)ですが、
人によっては、それはヨガの一種と考える方いますよね。
近接領域・仏教ではというか、かなり重なっていつのではないですか?
仏教ではディヤーナといったりしてますけど、
瞑想という技術でヨーガの一部分でもいいじゃないですか?
ヨーガの理論自体ができあがるのは、
もっと後ろ2世紀くらいですので、
古代からやってきたのはずっとあるのですが
ヨーガ体系とうのはもっと後ろなんです
アンシー:ヨガスートラがでてきて・・・
釈先生:ヨガスートラよりちょっと前です。サンキャー哲学ができたり
アンシー:サンキャー哲学のことも難しいです。
釈先生:サンキャーとヨガは、言うてることはほとんど同じなんです。
サンキャーの方が100年くらい先行してできてます。
ヨーガ派の方が信仰強調型ですね。
神を強調するというのがヨーガの特徴ですね。
サンキャーの方はむしろ哲学的な傾向が強くて、
でも言ってる内容はほぼ同じです。一緒に考える人もいます。
そのあたりにヨーガの思想が非常に発達して、
仏教もその影響を受けて唯識が出来上がったんです。
アンシー:それは何年くらいですか?
釈先生:きっとヒンドゥーの文化圏でヨーガというのがすごく高度に成熟して理論づけられて
体系づけられて、ヒンドゥー教のみならず様々な宗教に影響を与えたんでしょうね。
その影響の結果仏教にも、唯識という大きな流れができてきたわけですから、
2世紀か4世紀あたりですかね。
ヨーガは人類の知恵の結晶じゃないんですか?
人間の心と体を自分というものと、うまく付き合っていくための技術みたいなところがあります。
それは人類のテーマとしてありますよね。
そのひとつの技術としてヨーガあると考えたらよいですね
私がもともとヨガを社会で広めようとした動機は、
「身体と心の扱い方がわからない」現在人が多くなる社会がもたらす様々な問題。
自律神経の乱れからくる体調の不調、うつ病、自殺者の増加など。
身体と心のコントロール方法の一つとしてヨガが必要とされると思ったからです。
その最初の思いが蘇ってきました!!
釈先生 ありがとうございました。
釈先生のご著書はたくさんあります。
いきなりはじめる仏教生活 (新潮文庫) ・ 仏教ではこう考える (学研M文庫)
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