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20歳で出家 若い人に仏教の教えを伝えたい 愛$菩薩さん

ブログアンシー > 生き方 × 活き方 アンシーインタビュー

2015年04月29日

ブログ 生き方 × 活き方 インタビュー

 

20歳で出家した仏教者であり

また、若い人たちに仏教の大切な教えを表現する 愛$菩薩さん (33歳)にインタビュー

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アンシー:出家ってどのようにしてするのですか?

 

愛$菩薩:まず、得度を受けます。

仏様の弟子となるための儀式を受けて、戒名をいただくのです。

そこまでは誰でもできますが、その後修行に入ります。

浄土宗の場合はいろんな修行の方法があります。

私の場合は佛教大学にいって4年勉強して

その中の3か月修行して、その後3週間お寺にこもります。

その際必ず男女問わず剃髪します。

一般的に滝行するんでしょうとか、座禅するんでしょうとかいわれるのですが

浄土宗の場合はお念仏が中心で、そして読経

礼拝 五体投地 身体を投げ出して仏様に帰依をします。

その他お掃除と浄土宗に関する教えの講義の授業を繰り返していきます。

最後には浄土宗のご門主から口伝で一番大切な御教えを受けます。

それをうけたら、ちゃんとした浄土宗の僧侶ですよという資格を与えられるのです。

そこで初めてお葬儀も勤められるようになります。

 

アンシー:厳しいのですか?

 

愛$菩薩:体力的にはしんどいと思います。

男女同じことをしますし、睡眠も短いし、常に何かをしてます。

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お手洗いに行くのも走っていかなくてはいけません。

かなりタイトなスケジュールです。

お食事も5分くらいで終えます。女性は特についていくのにしんどいと思います。

けれど精神的には研ぎ澄まされ充実しています。

 

 

 

アンシー:佛教大学行く前に僧侶になるって決めていたのですか?

 

愛$菩薩:私はお寺に生まれ育ったのですが、兄がいまして、跡取りは兄という家庭で育ちました。

高校生の時に仏教系の学校に通っていて

宗教の時間というのがあって、その時にお釈迦様のご生涯等を勉強させていただいて

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あまり勉強は好きではなかったのですが、その時間は一般的な勉強とは違う

生きるのに必要なことを教えてもらっていると興味を持ちました

高校三年生の時に、父方の祖父がなくなるのですが、

父は一般の家庭からお寺に婿養子に入ったので

その祖父は僧侶ではなく、油絵の絵書きをしていました。

病気で亡くなるっていうときに、父が仏教的な看取る方法で見送りたいとのことでした。

どういうことかと言うと、お見舞いに だれだれさんが来てくれたよ!とか

 

残された大事な油絵をどうするとか、遺産がどうかと

世間のことに執着の心が起こるようなことを言ってはならない。

亡くなっていく人の身体は衰えていっても耳だけは最後までよう聞こえているから

たとえ、心停止してもしばらくは言ってはいけない。

そのかわり 南無阿弥陀仏のお念仏を聞こえるように静かに

吸う息、吐く息にあわせてお称えする。

そして、目に見える位置に仏様がお迎えにきてくださっているその絵の掛け軸をかけて

お念仏によって仏様の方へ心を向けていく

これが一番尊い送り方なんやと、 それに徹してました。

父が涙ひとつ見せずに送ったその姿を見て、

身内との死別は一番つらいことですが、乗り越えさせてくれるのが

仏教の信仰

導きだと住職である父の姿を見て思いました。

私自身はコンプレックスやいろんな悩みが深い方だったので

自分って何のために生きているんだ、自分の価値って?

そういった解決が仏教に説かれているのではないかと思い

それで佛教大学に行って仏教を勉強しようと進路を決めました

半年くらい勉強する中で、お坊さんになるしかないと思いました。

父に相談したところ、頭もそらなあかんし、そんなに仏教が好きやったら

お寺に嫁にいったら良いやないか。跡取りもいることやし

とのことでしたが、でも自分はいつかなるから、早くスタートしたいと説得しました。

それでなることができましたが、後に兄が家をでることになり、資格をもつわたしが後を継ぐことになりました。

 

アンシー:現在は副住職としてお寺のお勤めされていますが

愛$菩薩さんとしての活動の動機を聞かせてください。

 

愛$菩薩:宗教に興味を持つ前は、歌手になりたいと思ってました。

それはアイドルというよりは実力派の歌手になりたくて

高校生の時からボイストレーニングを習っていました。

歌手になりたいというのも、またコンプレックスの裏返しで

自分自身の価値が見いだせないから、自信をもつための方法でした

当時、安室奈美恵さんのファンでしたが、とても輝いていて、ああなりたいと思ってたんです。

ステージに立って応援される立場になったら、自信を持てるのではないかと

そして、歌うことが好きでしたし、歌手になりたいと思ってました。

しかし、途中から自分の道は違うとなって、遠のいていました。

僧侶は仏教によって救われていく、同時にそれを人に伝えるお役目もあるのですが

お寺はお年寄りは来てくれるけど、若い人はなかなか来て下さらない。

けれど、仏教の思想は若い時から知っておいた方が良い

人を集めることは難しいですが、若い人のいるところに、自分が出向けばよいと思って

京都のライブハウスで、お経をトラックにあわせてお称えしたり

法話をMCで話したり、オリジナル曲を仏教的な意味合いのものにしたり、活動をし始めました。

お坊さんのかっこうをしてステージに上がっても、なんかそのまますぎるなと思いまして

若い人に興味を持ってもらえるような姿になろうと自分なりの菩薩というのを表現しようと思いました。

仏像をモデルにゴールドのサテンの衣装を友達に縫ってもらったり

螺髪(らほつ)も人形のウィックを作っている子がいたので作ってもらいました。

尼さんでありながら唄っているという活動を8年くらい続けています。

 

アンシー:その反響はどうでしたか?エピソードはありますか?

 

愛$菩薩:案外若い人も仏教に興味があることがわかりました。

今まで聞く機会もなかったし、お寺は敷居が高いだけで

法話を聞くにしてもどこに行けばわからない。

私がその場に居合わせて悩みの解決になるヒントになることがあったと

お客さんから声を掛けていただいたり

やってて一番良かったのは、お葬式は愛$菩薩にやってもらいたいという人がいて下さって

自分の死をまかせてもいいと思ってもらえる僧侶になれたことは良かったです。

 

アンシー:人々の悩みを仏教で解決しようという活動していらっしゃいますが

昔は、お寺の和尚さんやおじいさんやおばさんに聞いたりと受け皿があったと思いますが

現代社会の悩める女性たちは、占いにいったり

スピリチュアルのセミナーにいったりと求めているように思います。

日本の女性の悩みを解決する場所として、仏教もその役割はできますか?

 

愛$菩薩:できると思います。僧侶の努力次第です。どれだけ門を広げるか

敷居が高いとできないので、もっと身近に感じてもらえるよう努力をしてます。

生きていれば辛いことが起こって、それはなんでやろうと

だいたいの場合相手が悪いとなるけど、自分にも原因があったりする。

周りにはうまくいっているのに、なんで自分だけ不幸なんやろって、思いがちです

お釈迦様は、その人間の世界は「まずは思い通りにならないものだ」とおっしゃいます。

それが当たり前なんやと、受け止められるかどうかが

生きる中でのポイントだと思えるんですよ。

そして、どれだけ自分で昇華できるか

大変だけども、仏教者であって、尼さんであって幸せに生きているという姿が

なによりも一つの説得力だと思うので。

愛$菩薩っていうのは、結構、幸福そうやと言われるんです。

それは演じているのでなく、お役目だと思ってやっていることで

そういう姿であれるような 努力をして、生き方をしていきたいなと思います。

 

アンシー:人生は思い通りにならない。

いくつになってもできない、死ぬ間際でもそれを受け入れること

できないこともあると思います。

人生修行ですよね。

 

愛$菩薩:修行ですよ。誰しもが修行です。

全部が整っている人なんていないと思います。

 

アンシー:まだ、若いのにはっきり言われますが

それは経験からですか?

 

愛$菩薩:それもあるし、仏教徒っていうのは

お釈迦様の言葉を素直に信じていくところが一番重要なんです。

自分の理屈をこねずに信じていく。

お釈迦様に思い通りならないと言われると、私は思い当たる節がいっぱいある。

そうかそういうものなんだな、人間の世界はそうだなと普通に思っています。

 

アンシー:思おうと思っても、思えないもんだなと思います。

だけど、愛$菩薩さんの目を見ていると本当にそう思っていらっしゃるんだなと思います。

こうしてインタビューさせていただいてもその存在でいらっしゃることがわかります。

 

アンシー:最後に、人生の中の失敗はやり直しはできると思いますか?

 

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愛$菩薩:私も人生の失敗があるのですが、ひどく心が傷ついたという体験もありました。

傷つけられたら、相手にもやり返したいと思うのも人だということも体験しました。

しかし、時間を経ていく中で、お釈迦様の教えの中に傷つけるものさえも慈しみなさいという教えがあって

私は相手にそういう思いさせてはいけないということを学んだのと

体験によって、どれだけ学べるかが重要で、傷つけられたことで

人の痛みもわかるようになりました。それが、私の中では仏教の思想だなと思います。

 

アンシー:人間としての体験をしたことで仏教の教えてがより入ってきたのですね


愛$菩薩:私には必然の体験だと思いました。

 

(インタビューを終えて)

一生懸命に仏教の教えを学び

尼さんとして生きる覚悟を決めた 愛$菩薩さん

目がとてもキラキラしてて、修行への強い意志を感じました。

若い人たちにも仏教の教えを役立てたいというその気持ち

しっかり伝わってきました。

いのちの尊さを知っていらっしゃる愛$菩薩さんに出会えて

私のいのちもとても喜んでました。

ありがとうございました!!

9月13日(日)奈良県「お寺SONIC」が行われます。

詳しくは 愛$菩薩さんHP お問い合わせください。