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古民家再生 輪和建設株式会社 中西直己社長
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2017年04月13日
アンシーの生き方×活き方インタビュー
桜の花が咲く、美しい季節ですね。
今回は、奈良県大和郡山市にある(写真はその桜並木です)
輪和建設株式会社 代表取締役
一般社団法人 奈良県古民家再生協会 代表理事の
中西直己社長にインタビュー。
2017年4月12日
場所 輪和建設株式会社 モデルハウスにて
環境に負担をかけない、先を見据えた家づくりを目指す。
日本の自然を大切にし、
そこで暮らす家族がいつまでも笑顔でいられるような家づくり。
中西社長様のそんな思いをインタビューさせていただきました。
シックハウスの経験からエコロジカルな家づくりへの転機
中西社長:先代(奥様のお父様)が建設会社を経営していて、
ハウスメーカーの下請けをやっていました。
平成元年にここに入ったのですが、
だんだん景気も悪い時期になり、仕事が厳しくなってきました。
専務(奥様)とあるとき、ハウスメーカーの現場にいったら
身体がしんどくなるという。
私はなんでもないのだけど、
新建材のホルムアルデヒドからくるシックハウスだなと
わかりました。
そんな経験から、思い切って、今の仕事をやめようかなと思いましたが、
やはり家づくりををやめることは、できませんでした。
いろいろと試行錯誤しているうちに、
福島県にあるエアバス工法に出会いました。
エアバス工法とは、太陽熱を利用して壁の中を通気断熱し、室温を調整するソーラーハウスのことです。衣替えができる家です。天然乾燥させて吉野木を使い、自然素材で家を仕上げエコロジカルな家を作ることにしました。
アンシー:社長さんは、以前は何の仕事をされていたのですか?
中西社長:千葉大学の園芸学科を卒業し
公共のラウンドスケープの仕事についてました。
高速道路のインターチェンジとか中央分離帯とかの施工管理をしていました。
アンシー:ご出身はどこですか?
中西社長:奈良県の斑鳩町法隆寺です。
法隆寺のそばに実家があり、法隆寺の境内が通学路でした。
そういう影響もあったかもしれませんね。
本来の木造住宅の方が良いなと思っていました。
不思議と始めたときから、お客さんの質問には、何でも答えることができたのは、
そのような経験からかもしれません。
アンシー:最初から奥さまと二人三脚でやってこられたのですね。
中西社長:当時も休みなく、お客さんに向き合ってきました。
アンシー:家を買う方は、どのくらいの期間をかけて決められますか?
中西社長:早くても3か月くらい、長くて6か月悩まれます。
特に夫婦の場合、女性の意見が強いのですが、
悩まれた結果、結局は、最初のプランにもどることもあります。
アンシー:女性は悩む(迷う)時間が必要です。笑
では、奥様のシックハウスのきっかけで新建材を使わずに、
家を建てることになったのですね。
古民家は100年~200年もちます。
アンシー:現在の家はどのくらい持つものですか?
中西社長:少なくとも50年、60年はもつはずです。
昔の家は天然の石の上に載っているので
100、200年のものがたくさんあります。
鉄筋コンクリートはさびてくるので、さびると膨らむので割れてしまいます。
アンシー:家を造るのに使用する木材は日本の物ですか?
中西社長:奈良県吉野の木です。
普通の天然の木は100年、200年くらいは、
少しづつ乾燥して強くなり、
1000年位で少しづつ耐久性がおちて行く、
だから法隆寺は、1600年位もっているのですね。
アンシー:すごいですね~。家づくりのお仕事で一番おもしろいところは何ですか?
中西社長:やっぱり、自分が考えたものが、形になることですかね。
アンシー:土地とか見て、イメージがわくのですか?
中西社長:わきますね。それでお客様に喜んでいただけたら、一番うれしいですね。
また、地元の木を使って、地元の職人さんを使うことが大切ですね。
アンシー:一般社団法人 奈良県古民家再生協会の代表理事をやっていらっしゃいますね。
日本の古材を使ってリサイクルするのが目的ですか?
中西社長:それと、古民家の伝統工法でつくった家を壊さないで、いかしていくのが目的です。
アンシー:奈良県って古民家があり、絶対必要な場所ですよね。
中西社長:でもね。奈良県に古民家が多いわけでなく、古民家はどの県にもあります。
アンシー:古民家を現代にもいかすってどういうことですか?
中西社長:昔の人たちの住まい方や造りですね。
古民家は100年~200年もちますから、いかせるところは必ずあります。
吉田兼好のことば「家の作りようは夏をむねとすべし」
寒さには何とかなるのですが、暑さは耐えられないと言葉があります。
いかに涼しくするかが、昔の日本の家だったんです。
アンシー:逆と思っていました。
中西社長:今は逆なんです。
明治の何年かくらいまでは、夏の方が暑さで亡くなる人が多かったらしいです。
寒さで死ぬひとはあまりいなかったそうです。
どこかで逆転したらしいです。
アンシー:明治っていろんなものが変わりましたね。
どうしてでしょうか。
環境が変わったのかな?それとも人間が変わったのか?
中西社長:どこかで、入れ替わりました。
どんな造り方をすれば、涼しくなるか、
家が長持ちするかが工夫されています。
古民家は使っている材料は太い。柱や梁も太い。
水回りという台所、お風呂、トイレが本屋の外にある。
湿気をよばないようにしています。
アンシー:湿気ってそんなに悪いのですか?
中西社長:木がくさる原因は空気と湿度と温度
空気と温度はどうにもならないけれど
湿度は風通しを良くすればよいのと、湿気を出すものは本屋に持ってこない。
神社や仏閣が長持ちするのは、台所やトイレといった
水回りがないからです。
古民家のオーナーが、困っている事情。
アンシー:古民家を先祖から受けと取って、
管理をするのに苦労されているオーナーさんも多いとお聞きしました。
中西社長:負の遺産になっている場合があります。
それを改善するのにも、住んでもらうのが一番いいのですが
ちょっと改修するのに、お金がかかる。
それなら、解体してしまういうことになります。
アンシー:その問題を解決するには住みたい人に住んでもらうが良いですね。
中西社長:先祖からひき継いだ家だから、自分の代で手放すことはしたくないんです。
やはり、次世代も一緒に住むという、家族のありかたを見直す時期に来ています。
今はいろんなところに土地があったら、開発して分譲の家を建てようとする。
アンシー:人口が減っているのに家ばっかり建ってますね。
中西社長:これからは、住教育、住育が必要です。
昔は家長制度があって、家を建てるのはそれだけ考えや思いがありました。
だれもが家を持てるようになったのは良いことだけど、空き家も多いです。
その為に悩んでいる方が多いですので、これからは、住育が必要な時代ですね。
インタビューを終えて
家を買うことは、人生の大きな転機になると思います。
その時に向き合うもの、家族、日々の暮らし。
そして、未来についても考える。
その家族の夢をかなえながらも、
変化する家族関係や日本環境と向き合う中西社長。
おだやかな口調からは、
誠実さが伝わってきます。(素敵な声なんです。)
インタビューの最後には、先代から受け継いだものを
今度は、次男に渡す時期に来ました。
今までのお客様に迷惑かけれないから!と
とても、うれしそうでした。
アンシー
笑顔が素敵な奥様 専務の中西春代さんと。